Power Platformはアプリ作成やデータの収集・解析、データ連携などをローコードで実現できる製品で、「ローコード開発ツール」の1つにあたります。以下で詳しく述べますが、5つのサービスを総称してPower Platformと呼ばれます。
ローコード開発ツールは高度なプログラミングスキルを必要としないため、簡単な業務アプリの開発や、開発後のメンテナンス作業を自社内で完結させることができ、内製化の実現や、ベンダー依存からの脱却を図ることが可能です。また、ソースコードを書く通常の開発作業よりも短時間で開発できるため、コスト削減に貢献できるのも特徴です。
そのような理由から、近年よく耳にするDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応やIT人材不足の解消など、企業を取り巻いている問題に対応できるツールと言えます。
Power Platformは「Power Apps」、「Power Automate」、「Power BI」、「Power Virtual Agents」、「Power Pages」の5つのサービスで成り立っています。
1つずつ、機能の概要を簡単に説明していきます。
Power Appsではローコードで業務アプリの開発ができます。
業務のニーズに合わせた実用的なアプリ、今までの作業工程を崩さないようなアプリを作成できる点がメリットとなっています。
Power Appsで作成できるアプリは複数のタイプがあり、それぞれ用途によって使い分けることが可能です。
以下がそれぞれ作成できるアプリの特徴になります。
※以下でもご紹介しますが、ポータルは現在、Power Pagesとして機能が独立しています。
アプリの違いについてもっと知りたい方はコチラ
≪ Power Appsキャンバスアプリとモデル駆動型アプリの違い ≫
キャンバスアプリとモデル駆動型アプリの違いについて詳しくご紹介しています。違いを知ると、適したタイプで効率的にアプリ作成ができますよ!
Power Automateではアプリとの連携とタスクの自動化を行うことができます。
タスクの自動化では、定型業務や手順の決まった作業をフローにすることで自動化を実現します。
例えば、特定の人からメールが送信された時にチャットツールに通知させたり、メールの添付ファイルをGoogle Driveに自動保存させたりなど、指定した条件でタスクを自動化します。フローの作成イメージは以下の画像の通りです。
「トリガー」と呼ばれるフロー開始のきっかけをもとに、作成したフロー通りに作業が自動で進んでいく仕組みになっています。
また、Power Automateでは1,000を超える外部サービスやアプリと連携することが可能です。Microsoft製品やそれ以外のサービス・アプリに接続するための「コネクタ」と呼ばれる機能が用意されており、簡単に連携することができます。
Power Automateには、Power Automate DesktopというRPAの機能もあります。名前の通りデスクトップ版となっており、各個人のPCにインストールする形で使用します。
Windows 10以降で使用できる機能で、一部機能に制限はありますが無料で利用することができます。(有償版あり)
お手軽にRPAを体験できるのでぜひ一度使ってみてください。
Power Automateの機能を詳しくご紹介!
≪ Power Automateで業務自動化を促進 ≫
Power Automateの外部連携、タスクの自動化の機能について詳しく解説しています。また、実際の操作画面や活用事例もご紹介しています。
≪ Power AutomateのRPA機能 ≫
Power Automate Desktopではどのような事ができるのでしょうか?使用方法や機能、ライセンスについてもご紹介しています。
Power BIでは専門的な知識がなくても簡単にビッグデータの解析を行うことができます。
ExcelやSQLなどのデータを読み込ませることによって、データ分析やデータの可視化をすることができます。もちろんローコードで実現することが可能です。
簡単に分析・可視化が行えるため、素早い意思決定に繋げることができる点が最大のメリットです。
グラフの種類もたくさんあり、見たい形でデータを可視化することができます。
Power BIにもデスクトップ版があり、無料で使用することができます。ただ、デスクトップ版では組織内で共有することはできませんので、共有したい場合は有償版のライセンスが必要になります。
2022年に公開されたPower Pagesは、内部用・外部用問わず、ビジネスWebサイトを作成できるサービスです。
Power Pagesは先ほど紹介したPower Appsから「ポータル」が進化したサービスで、よりデザイン性が優れたWebサイトを簡単に構築できるようになりました。
デフォルトのテンプレートを使用すれば、コードを書くことなくかなり早いスピードでWebサイトを作成することができます。
国内拠点・海外拠点との窓口として活用されるお客様もいらっしゃいます。
Copilot Studioでは、手軽にチャットボットを作成することができます。
自然言語処理を搭載した自己学習型 AI でボットを継続的に改善するなど、アプリ開発の補助的な部分まで期待ができるサービスです。
社外向けの問い合わせ用に作成したり、社内であれば、よくある質問とその回答をチャットボットにまとめておくと手間の削減に繋がりそうですね。
※旧Power Virtual Agentsは、現在「Microsoft Copilot Studio」の一部として提供されています。
Copilot Studio以外にも、AI 機能が搭載され始めました。自然言語の入力に基づいて、Power Appsではアプリ、Power Automateではフローといったように、AIが設計してくれるようになったのです。以前よりもさらに簡単に開発できるようになったため、どのようなアプリ・フローを作成したいのかを言語化する能力が必要にはなりますが、大幅な開発時間の短縮は実現できるのではないでしょうか?
次にPower Platformを使用するメリットをご紹介します。
Power PlatformはMicrosoftの製品であるため、他のMicrosoft製品とも親和性を保っています。
たとえば、Dynamics 365を既に利用している場合は、Power PlatformでDynamics 365のデータをそのまま使用でき、新しくアプリを作成したい時などに便利です。新しくデータベースを用意する必要がなく、手間やコストを省くことができます。また、Dynamics 365の機能を拡張させるためにPower Platformを使うといった活用もできます。
他のMicrosoft製品とも簡単に連携できるコネクタが用意されているため、他のツールでは手間がかかる連携も、Power Platformでは簡単にコストを抑えて実装できることがあります。
このように、他のローコード開発ツールよりもMicrosoft製品と親和性があるため、Microsoft製品を活用している方は特に便利にお使いいただけます。
基本的にローコード開発であるため、ソースコードを書いて構築するよりも専門性が必要なく、簡単に短期間で開発することができます。社内で内製化することができれば、ベンダーとの打ち合わせ時間や定例会などの時間を短縮することができるため、開発コストが抑えられるでしょう。
また、Power Platform自体に5つのサービスが備わっているため、複数のシステムを導入する必要がないこともメリットです。複数のシステムを導入することで起こる運用コストの増大も防ぐことができます。
費用を抑えつつDX化を進められるのはPower Platformの大きなメリットと言えます。
特定の業務にのみシステム導入を行うと、その業務は最適化されますがその他の業務は最適化されません。データの連携が上手くいかなかったり、複数のツールを導入しすぎて管理がうなくできない状態になっていたりと様々な要因がありますが、Power Platformではこのような個別最適化ではなく業務全体を最適化します。
アプリの作成やデータ連携、データ分析までPower Platformで完結できるのはもちろん、ExcelやWord、Azureなどを用い、お客様の現在の業務それぞれに合った最適化を実現することが可能です。
Power Apps、Power Automateなどサービス単体での使用も効果的ですが、他のサービスやMicrosoft製品と組み合わせることでさらに効果を発揮することができます。
データに溢れているこの時代、企業の経営にデータ活用が欠かせなくなってきました。
Power Platformはスピーディーな開発や分析を可能にすることから、素早い経営判断に活用することができます。
パッケージのシステムでは業務に合わせられないことでも、Power Platformで開発することによってニーズに沿ったビジネスツールを作成することが可能です。
DX化にお困りの方、既存システムがうまく利用できていない方はぜひご検討ください!
アイ・エス・アイソフトウェア-では「Power Platform」に関するサービスをご提供しています。
お気軽にお問い合わせください。
Power Platform 導入事例
≪ 稟議承認システム構築事例 ≫
稟議承認システムをPower Appsモデル駆動型アプリで構築したお客様の事例をご紹介します。 こちらのお客様は、既存の稟議承認システムをPower Platformで再構築しました。 再構築するにあたって、情報システム部の負担が大きかった業務をPower Automateで自動化するなど、社内業務の見直しも行いました。
≪ 営業支援システム(SFA)構築事例 ≫
営業支援システム(以下、SFA)を、パッケージ製品を使わずPower Appsモデル駆動型アプリで構築したお客様の事例をご紹介します。 こちらのお客様は事業をグローバル展開しているのですが、各拠点ごとに使用しているシステムがバラバラの状態でした。そこでPower Platformでシステムを統一し、共通化を図りました。
Power Platformの活用に関する記事はコチラ
≪ Power Appsモデル駆動型アプリを使ったデータの一元管理方法 ≫
Power Appsを使用することで、社内に散らばっているデータを一元管理することが可能です。この記事ではデータ管理アプリの作成方法や機能のご紹介をしています。
≪ 属人化のリスクと改善方法 ≫
特定の人しかできない業務があったり、業務の進め方が人によって異なっていることはありませんか?Power Platformではこうした業務の属人化を防ぐことが可能です。
≪ データのサイロ化が引き起こす問題 ≫
社内のデータが分断されていると、データを上手く活用できずスムーズな経営判断ができません。そのような状態をPower Platformで改善することができます。DXを進めるためにも、社内のデータ運用方法を確立させましょう。