稟議承認システム構築事例

情報システム部主導で稟議承認システムを構築
Power AppsとPower Automateを使った業務改善方法

稟議承認システムをPower Appsモデル駆動型アプリで構築したお客様の事例をご紹介します。
こちらのお客様は、既存の稟議承認システムをPower Platformで再構築しました。 再構築するにあたって、情報システム部の負担が大きかった業務をPower Automateで自動化するなど、社内業務の見直しも行いました。

情報システム部の負担を軽減できないか?

Power Platform導入のきっかけは、既存システムで使用していた製品のバージョンアップでした。それに伴い、情報システム部主導でシステムの再構築を行うことが決定しましたが、同部署ではあることが課題になっていました。

その課題は、「人事異動の際、各システムすべて新しい所属部署に手動で変更しなければならない」ということです。
以前まではこの業務が自動化されておらず、情報システム部の負担が大きいことが課題でした。また同社の場合、異動対象者が多く、部署変更作業のたびに手間と時間が割かれてしまっている状態で、新しいシステムではこの業務負担軽減が急務でした。

新稟議承認システムの効果

情報システム部が人事異動の際に行っていた各システムへの部署変更作業をPower Automateを使って自動化し、業務の効率化を図りました。

Microsoft 365のユーザー情報を変更すると、Power Appsと同期させることで稟議承認システムにも自動で反映されるため、変更作業が一度で済むようになりました。それにより、変更作業に割く時間を大幅にカットすることができます。
同期のタイミングはスケジューリングして自動で行うことも手動で行うこともできるため、柔軟に対応できるのが評価されています。


また、構築するにあたって社内ワークフローの見直しを行い、まとまっていなかったワークフローや画面を整理して、より使いやすいシステムの構築を目指しました。
約200ユーザーが、出張費申請や予算の申請など35種類の申請業務をこのシステムで行えるよう構築しています。

将来性を考えたシステム選定

Power Platformで構築すると決まっても、Power Appsのキャンバスアプリで構築するか、モデル駆動型アプリで構築するかなど、考慮を重ねました。 今回はPower Appsモデル駆動型アプリとPower Automateを使用して構築することに決定しましたが、それには以下のような理由がありました。

選定の決め手になった点は、「拡張性のあるシステムかどうか」ということです。 今回はスモールスタートという形で稟議承認システムのみ構築しましたが、お客様には将来的にもっとアプリに機能を追加していきたいというビジョンがありました。そのため、キャンバスアプリでの構築も視野に入れましたが、システム要件や拡張性を考慮し、モデル駆動型アプリを使用する運びとなりました。
また、Power Appsはローコード開発ツールなので、これからの機能追加を社内で完結させられそうだという、内製化への期待も選定の一因です。

Power Appsモデル駆動型アプリでの画面作成例

テスト段階の画面にはなりますが、具体的な稟議承認システムの画面をお見せします。以下が稟議承認システムの一覧画面・詳細画面です。先述した通り、これらの画面はPower Appsモデル駆動型アプリで構築しました。


構築の際にはいくつかご要望がありました。稟議番号を自動採番できることや、必須項目の入力チェックを行い不備があれば申請を進められないようにすること、資料添付ができること、などです。

これらはすべてモデル駆動型アプリの標準機能で実装することができます。標準機能で出来ることが多いので開発費用がそれほど膨らまないのもモデル駆動型アプリのメリットの1つです。また、承認のステップを可視化することも行いました。これにより今どの段階まで申請が進んでいるのか、全員がリアルタイムで把握することが可能になっています。

もちろん、特定の人以外に特定のデータを見せない、といったセキュリティロールの設定も可能です。例えば今回では、人事に関する稟議など秘匿すべき情報は人事部と申請に関わる人以外に見せない、といった閲覧制限を実装しています。
これはDataverse(データバース)というMicrosoftが提供しているデータベースを使用しているため、簡単に高度な制限をかけることができています。

Power Automateの使用例

Power Automateでは、上述した人事異動の際の部署変更作業の他、承認者にメールを送信する際に使用しています。
「Power Appsでのデータ登録をトリガーにして、承認者に自動でメールを送信する」というフローを組み、次の承認者が、自分が承認者になったタイミングでメールを受け取ることができる仕組みにしました。
社外にいてもリアルタイムで申請内容を把握でき、その場で承認することもできるため時間の短縮に繋がります。

また、申請内容による承認ルートの条件分岐にもPower Automateを使用しています。例えば、「金額が500万円を超える申請内容は承認ルートに社長承認を挟む」というような条件などです。いくつか条件がありましたが、それらはPower Automateで実装しています。

今後の展望

今回は稟議承認システムの構築を行いましたが、今後は、取り扱っている商品を管理する仕組みを新たにPower Platformを使用して構築しようとしています。今回構築したシステムに機能追加という形で構築できるので、アプリが乱立するのを防げるのもPower Appsモデル駆動型アプリの強みです。
また、手作業を減らして業務効率化を向上させるために、Power Automateを使用して他システムとPower Appsをデータ連携させたいという展望もあるようです。
弊社もお客様の業務効率化を積極的にサポートしていきたく思います。

新規CTA



▶ Power Platform事例一覧に戻る

ページ上部に戻る