属人化とはいっても、いろいろなパターンがあります。ここではよくある例を3つご紹介します。
1つめは、特定の人しかその業務について知らないパターンです。社内で少人数しかその業務を行うことができない、といった状況を引き起こしてしまいます。
2つめは、各個人によって業務の進め方が異なっているパターンです。手順書やマニュアルが無く、個人の経験によって行われていることが多い業務が当てはまります。
3つめは、システムの属人化です。システムについて知っている人が退職や異動でいなくなってしまい、他の人では設定がわからずメンテナンスなどが行えないというパターンです。これはシステムのブラックボックス化とも言われます。
では、属人化が起こってしまうとどんなリスクがあるのでしょうか。
先述したよくある3つのパターンから、想定されるリスクを挙げてみました。
まず考えられるリスクとして、その人が休んだり異動した際に誰も対応できないということが挙げられます。これはよく耳にするリスクです。
その業務を誰か個人に引き継いでもまた同じことの繰り返しになってしまうため、マニュアルの作成など、属人化しない仕組みを整えることが大切になります。
このパターンでは、業務効率が悪化するというリスクがあります。
例えば何かの申請業務があった際、フォーマットが各申請者で違っていると確認する人が大変ですよね。また、必要な情報が足りていなくて差し戻しが多発するといったことも起こりかねません。
これでは時間をかけるべきではない業務に時間がかかってしまい、生産性が低下してしまいます。
システムがブラックボックス化している場合、システムの内部がどうなっているかわからないため、改修や機能追加が行えないということが起こってしまいます。運用まで時間とコストを要してしまうため、そのまま今のシステムを使い続けるといった企業も少なくありません。
しかし、そのままにしておくとシステムに何かトラブルが生じた際、解決までに時間を要してしまい、会社に大きな損益を与えてしまうこともあります。
属人化の原因としてよく挙げられるのは、情報共有不足です。業務の進め方だけでなく、その業務に伴う注意事項やノウハウなども含めて、その人しか知らないことが増えてしまうことで起こります。
また、業務に専門性があるという場合もあります。
専門性が必要な業務はすぐにスキルが身につくわけではなく、教育にも時間がかかるため、すぐに対応することができず後回しになってしまいます。
手順書やマニュアルも作成しにくく、個人の技量に頼ってしまっているため属人化してしまうのです。
このような属人化を防ぐために、業務を可視化させることが方法の1つとして挙げられます。よくあるのは、業務をフローにすることでプロセスを可視化させるという方法です。
その際に今までの運用を見直してもう少し手順をシンプルにしたりするなど、運用を確定させるきっかけにもなるのではないでしょうか。
業務プロセスを可視化する1つの方法として、Microsoftが提供しているPower Appsの機能をご紹介します。
Power Appsはローコードアプリ開発ツールです。パッケージ製品ではなく開発ツールであるため、各企業の要件に応じたアプリやシステムを作成することができます。今回は、属人化を防ぐための方法として、Power Appsの「ビジネスプロセスフロー」という機能をご紹介します。
上の画像の赤い枠で囲んでいる部分が、「ビジネスプロセスフロー」と呼ばれるPower Appsで使用できる機能です。業務の流れをステージとして切り分け、ステージごとに必要な入力・アクションを定義することができます。
例えば画像にある承認業務のフロー化では、見積作成、次に部長承認、その次に社長承認というステージを作成しています。下の画像のように「次のステージ」ボタンを押すと次の部長承認ステージへ進むという仕組みです。
この機能を使用することで業務プロセスを可視化することができます。このフローの通りに業務を進めれば良いので属人化を防ぐことができ、業務の品質も平準化されます。
また、Power Appsは高いプログラミングスキルを必要とせず機能を簡単に実装できるため、開発コストを抑えることができます。また、その分メンテナンスや機能修正が簡単で、システムのブラックボックス化も防ぐことができます。
このような高品質な機能がローコードで実装できるPower Apps、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
システム導入をしても、属人化してしまっては高い効果が得られません。
属人化を防ぐためにも、現行業務の整理・把握をおこなってからシステムの選定に進んでみてください!
Power Appsの概要については、「Microsoft Power Platformとは?」でご紹介しております。初めての方必見の内容です!
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