営業支援システム(SFA)構築事例

DX推進グループ主導で営業支援システム(SFA)を構築
営業データの入出力から管理までPower Platformで実現

営業支援システム(以下、SFA)を、パッケージ製品を使わずPower Appsモデル駆動型アプリで構築したお客様の事例をご紹介します。
こちらのお客様は事業をグローバル展開しているのですが、各拠点ごとに使用しているシステムがバラバラの状態でした。そこでPower Platformでシステムを統一し、共通化を図りました。

拠点の多い企業ならではの課題

上述した通り、課題はアメリカや北欧など各拠点でバラバラになっているSFAが共通化されていないことでした。なぜシステムを共通化すべきだったのでしょうか。それには以下のような理由がありました。

まず1つめは業務を標準化させるためです。
各拠点ごとに別のシステムを使用しているため業務の進め方もそれぞれ違っており、業務品質に差ができてしまっていました。例えば、データの入力未入力についてです。各拠点から本社に集まってくるデータにバラつきが生じており、データの活用がスムーズに進められていませんでした。
そのためシステムを共通化することで業務の進め方も各拠点で標準化し、業務の効率化を図りたいとのことでした。

2つめはデータを分析しやすくするためです。
先ほどの内容と関係しますが、各拠点ごとに集まるデータがバラバラだと、本社では簡単に分析することができません。各システムからデータを集めたり、データを連携するところから始める必要があるためです。
経営戦略のためにデータを分析しようとなった際にデータが無く、素早い意思決定を行うことができない、といった状況を防ぐためにも共通化は必須でした。

今後さらに事業を拡大していくために、同社ではこの課題解決が必要でした。

自社の業務に合うパッケージシステムが無い?システム選定までの道のり

当初はSFAのパッケージ製品を使用する予定でした。
しかし、パッケージ製品では同社の業務内容にマッチせず、今の業務を再現することができないことが判明し、1からPower Platformでシステムを構築する運びとなりました。
Power Platformはローコード開発ツールですので、今の業務プロセスに合わせて開発することができます。そういった点からPower Platformが選定されました。

また、同社はPower Appsモデル駆動型アプリを使用してSFAを構築したのですが、モデル駆動型アプリを選定した理由は「ビジネスプロセスフロー」という機能を使用できるから、でした。
ビジネスプロセスフローは業務のステップを可視化できる機能です。同社ではこのステップを、「案件の入力」「見積入力」「受注失注確認」などに分け、各案件がいまどの段階まで進んでいるのかを可視化できるよう構築しています。
これにより、どこにいてもPCやスマホ、タブレットでも内容を確認でき、リアルタイムでの情報共有を実現することができました。

システム共通化による効果

新しくPower Appsモデル駆動型アプリで作成したSFAを各拠点で運用し、データのバラつきを抑制しました。これにより本社では同じデータを基に分析を行うことが可能になります。

また、ビジネスプロセスフローを用いたことにより、業務の見直しにも取り掛かることができました。
ビジネスプロセスフローでは、案件1つ1つに対して、各業務ステップにどれくらい時間がかかっているかが計測される仕組みです。そのため、時間がかかっているステップに対して改善を促すことができたり、うまくいった営業活動に対して分析を行うことが可能です。また、全体的に分析を行うこともできるので、営業活動全体に対しての改善ポイントを把握することもできます。

Power Appsモデル駆動型アプリでの画面作成例

デモ段階の画面にはなりますが、具体的なSFAの画面をお見せします。以下がSFAの一覧画面・詳細画面です。先述した通り、これらの画面はPower Appsモデル駆動型アプリで構築しました。


案件一覧画面がアプリを開いたときのトップ画面になり、案件番号をクリックすると詳細が表示されます。
また、画面左側の「見積」や「取引先企業一覧」を押すとそれらのデータが表示され、1つの画面で色々なデータが見られるようになっています。


詳細画面の上に出ている赤色のフローが「ビジネスプロセスフロー」と呼ばれるものです。どういったステップにするかは自由に決められるため、業務内容を問わず実装することが可能です。
また、先ほど一覧画面で見積のデータや取引先企業のデータを見ることができると言いましたが、詳細画面から見積明細のデータや新しい取引先企業の追加が行えるようになっています。例えば見積では、画面下の方にある「見積の新規作成」を押すと、明細の入力が可能です。


上記が明細の新規入力画面です。どの案件に紐づけるのか指定し、明細を登録すると案件の詳細画面に登録されます。すべてのデータを1つのアプリ内で繋ぐことができ、紐づけが簡単にできるのもモデル駆動型アプリのメリットです。

Power Automateで外部アプリと連携

SFA構築にあたり、電子署名サービスとの連携を行いたいという要件がありました。
案件の契約に関してお客様との書類のやり取りを行う際に署名が必要なのですが、そのやり取りを電子化させたいとのことでした。連携した電子署名サービス上で行った内容がモデル駆動型アプリに反映される仕組みです。

契約書に署名する段階になると対象者にメールが送付され、そのメールのリンクから署名する流れになります。そのような連携をPower Automateで構築しました。

また、先述した「ビジネスプロセスフロー」とも連動するよう構築しました。署名が進めばビジネスプロセスフローも自動で進むようになっており、内部・外部のユーザー問わず、どこでプロセスが滞留しているかがシステム上で見えるというメリットがあります。

今後の展望

同社では社内に様々なシステムやアプリが存在している状態だそうです。それらを今後はPower Platformに統一していこうとしています。また、集まったデータをPower BIで分析したり、外部向けのWebサイトをPower Pagesで構築するなど、やりたいことはたくさんあるとのことです。
Power Platformは5つのサービスから成り立つためお客様のご要望に沿えるほか、データの一元管理ができる点が強みです。
お客様のデータ活用をサポートできるよう、弊社の方でも今後とも尽力してまいります。

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